「有志一同リスト」と聞くと、やや堅苦しい印象を持つかもしれませんが、これは私たちの“思い”や“気持ち”を丁寧に形にして伝えるための大切なツールです。
退職祝い、香典、出産祝いやクラウドファンディングなど、さまざまな場面で活躍し、「誰が」「どのような意図で」参加したかを明らかにすることで、贈る側と受け取る側双方の信頼関係を深めてくれます。
この記事では、有志一同リストの基本から実用的なテンプレート、マナーに沿った作成のコツまで、具体例を交えてわかりやすくご紹介します。
どなたでもすぐに実践できる内容となっておりますので、初めての方でも安心してご活用いただけます。
有志一同リストの書き方とは?

有志一同リストの必要性と目的
「有志一同リスト」とは、特定の目的のために複数の人が協力し、連名で何かを贈る際に、そのメンバーを記録・明示するためのリストです。
主に退職祝い、出産祝いや香典など、フォーマルな場面で使われます。
個々の名前を伏せたいが、複数人からの気持ちであることを示すため、「有志一同」という言葉でまとめられます。
このリストは単なる名簿ではなく、気持ちを一つにして贈るという意志を伝える象徴でもあります。
参加者の思いが可視化されることで、贈られる側にとっても心に残る記録となるのです。
場面にふさわしい形式を選ぶことで、贈る側の誠意や丁寧さがより一層伝わるでしょう。
リストの使われる場面
- 退職祝いの寄せ書きやプレゼント
- 香典や供花の名義
- 結婚・出産祝いの贈り物
- イベントやクラウドファンディングなどの支援金
- お見舞いや快気祝いなどの共同贈答
有志一同リストの基本的な考え方
相手に配慮しつつ、主張しすぎずに気持ちを届けることが目的です。
そのため、表には「有志一同」とし、裏面や別紙に名前の一覧を添える方法が多く用いられます。
特に相手が目上の場合やフォーマルな場面では、控えめながらも礼を尽くすこの方法がよく用いられています。
有志一同リスト作成のための重要な5つのポイント
ポイント1: フォーマットの選び方
手書き・Excel・Wordなど自由ですが、統一感があり、見やすく整理された形式が好まれます。
特に参加者が多い場合は、Excelなどの表計算ソフトが便利です。
フォーマット例:
- 名前(姓・名)
- 所属(必要な場合)
- 寄付金額(公開する場合)
- コメント欄(任意)
印刷する際は、A4サイズで1枚に収まるように工夫するとスマートな印象になります。
行や列に色分けを施すと視認性が向上し、受け取る側も読みやすくなります。
ポイント2: 名簿に含めるべき情報とは?
- 氏名(敬称略)
- 所属や関係(職場名・団体名など)
- 日付(作成日や贈呈日)
- 金額(香典や募金の場合)
※情報を開示する際は、プライバシーへの配慮が必要です。
相手や場面によっては「所属」を省略する、または仮名で記載するなどの工夫も求められます。
メールやLINEなどで参加者の事前確認を取っておくと、トラブル防止につながります。
ポイント3: 適切なタイミングでの作成方法
リストは贈り物やお金を渡す前に完成させておく必要があります。
特に多人数が関わる場合は、締切を設けて協力者全員からの確認・了承を得てから、印刷・封入するのが望ましいです。
急ぎの場合はデジタルで確認を取り、PDFなどで共有するとスムーズに進行できます。
また、参加者にあらかじめリストの公開範囲(贈呈先への同封、記念写真への記載など)を説明し、同意を得ることもマナーのひとつです。
ポイント4: マナーを守った表書きと記入例
「有志一同」とする場合、外袋(祝儀袋や香典袋)にはそう記し、内側や別紙にリストを記載する形が基本です。
記入例:
- 表書き:「御祝」「御礼」「御香典」など
- 名義:「有志一同」「○○課有志一同」「同期一同」など、立場に応じて具体的にすることで丁寧な印象に。
リストは折りたたんで封筒に入れるか、丁寧に紙に包むのが一般的です。
表記にはボールペンや万年筆など消えない筆記具を使用し、丁寧な字で書くことが好まれます。
ポイント5: 参加者への配慮と連名の注意点
・参加者に事前確認を取ること(氏名・金額・所属など)
・名前の順番に配慮(五十音順・職位順・年齢順など、目的に応じて統一)
・後から参加した人を不自然に追加しない(追記には細心の注意を払いましょう)
また、記載内容に誤りがあると失礼にあたるため、提出前に必ず複数名でのチェックを推奨します。
間違いや漏れがないよう、事前のダブルチェック体制を整えましょう。
具体的な書き方とテンプレート
有志一同リストのテンプレート例
有志一同リスト ------------------- 氏名 所属 金額(任意) 田中太郎 営業部 3,000円 山田花子 総務部 3,000円 佐藤一郎 企画部 3,000円 ※合計:9,000円
※WordやExcelを使って作成し、印刷して同封しましょう。
お祝いごとの際のリスト書き方
明るく温かみのある印象を与えるためには、フォント選びと色使いにもこだわりましょう。
優しさや親しみやすさを感じられるデザインにすることで、贈る相手によりよい印象を与えることができます。
- フォント:丸ゴシック体や手書き風の柔らかい書体など、優しい雰囲気を醸し出す書体が適しています。特に、お祝い事ではカジュアルすぎず、かつ堅苦しくならないバランスが大切です。
- 色使い:明るめの色(淡いピンクやグリーンなど)を背景やアクセントに取り入れると柔らかさが演出できます。ただし、派手すぎないように注意が必要です。
- レイアウト:文字を中央揃えにすることで、きちんとした印象になり、フォーマル感がアップします。さらに余白を適度に確保することで、見やすく上品な仕上がりになります。
退職祝いや葬儀の場面におけるリスト作成のポイント
シーンに応じて適切なトーンを意識したデザインにすることが重要です。
特に退職祝いや葬儀などのフォーマルな場面では、落ち着いた配色と丁寧な体裁が求められます。
- 使用フォントは黒・グレーなど落ち着いた色を基調とし、読みやすさと品位を保つようにします。
- 白黒印刷にすることで、全体に統一感を持たせつつ、過度な装飾を避けることができます。
- 表紙や表書きに「有志一同」と記すだけでなく、必要に応じて「○○課有志一同」「同僚一同」など具体的な団体名や所属を加えることで、贈る側の立場や背景が伝わりやすくなります。
書き方の注意点とよくある疑問
マナー違反を避けるための注意点
- 名前を勝手に掲載しない(事前確認が必須)。個人情報の取り扱いには細心の注意を払いましょう。参加者には必ず事前に了承を得て、同意をもってリストへ掲載することが大切です。
- 個人情報(電話番号・住所など)を書かない。プライバシー保護の観点から、連絡先や個人を特定できる情報は極力掲載を控えましょう。
- 贈り物の趣旨と無関係な記載を避ける。例えば、冗談や無関係なコメント、過去のエピソードなどは、この場面にはふさわしくありません。主旨に沿った記載を心がけることが重要です。
表書きや金額の選び方
表書き:
「御祝」「御礼」など、贈る目的やシーンに合わせて適切な表現を選びましょう。
場合によっては、「感謝の気持ちを込めて」といったメッセージを添えると丁寧です。
金額:
1人1,000〜5,000円が一般的。
あらかじめ全員で相談して統一しておくとトラブル防止につながります。
また、合算額の記載も可であり、贈り先に総額で伝えることで相手の負担を減らす配慮にもなります。
宗教による違いと配慮が必要な場合
香典の場合、宗教ごとの書式や作法が異なります。
宗派により適した表現があり、誤った表記は失礼にあたることもあるため、事前の確認が必須です。
- 仏式:「御霊前」「御仏前」など。亡くなる時点の宗派によって使い分けが求められます。
- 神式:「御玉串料」などが一般的。神道では「冥福」ではなく「御霊安かれ」などの表現を用います。
- キリスト教:「お花料」「御花料」などが適切です。カトリック・プロテスタントによっても異なる場合があります。 ※必ず事前に宗派を確認し、それに沿った表現を使用しましょう。少しの確認と配慮が、深い信頼関係につながります。
具体例とケーススタディ
出産や結婚のお祝い事での具体例
例:職場で結婚祝いを贈る際のリスト
【有志一同:結婚お祝い金】 名前 所属 中村真由美 開発部 鈴木悠介 営業部 井上麻衣 デザイン課
香典における有志一同リストの書き方
香典袋には「有志一同」と記載し、以下のように別紙で補足します。
【香典有志一同メンバー】 山本健一 技術部 佐藤栄子 人事課 川口良平 営業部
成功事例と失敗事例の比較
成功事例:
全員から事前確認を取り、均等な金額でそろえたうえで、表記方法(漢字・かなの統一、敬称の有無、所属の書き方など)にも配慮し、あらかじめルールを決めて一覧を作成。
さらに、順番を五十音順にするなどの公平性も保ち、誰から見ても納得感のあるリストとなった。
失敗事例:
表記がバラバラ(苗字と名前の順序が逆、フルネームと名字だけが混在など)、名前の誤記(変換ミスや旧姓のままなど)があり、確認不足が原因で訂正が間に合わずそのまま提出。
さらに、順番が役職順や作成者の思いつきで並べられており、後に不満が噴出してトラブルに発展。
まとめと今後のリスト作成についての考察
有志一同リストの意義と振り返り
このリストは、単なる形式的な書類という枠を超えて、参加者それぞれの気持ちや思いを一つにまとめ、目に見えるかたちで伝える重要な手段です。
特に、贈る相手に対する感謝や労いの気持ちを共有し、かつ丁寧に可視化することで、心からの誠意を伝えることができます。
そのため、見た目の整ったものを用意するだけでなく、参加者一人ひとりの立場や思いに配慮しながら、時間をかけて丁寧に作成することが大切です。
次回作成する際のポイントとアドバイス
- テンプレートを使って簡潔に、かつ統一感を意識して作成する
- 書式やマナーに沿った丁寧なフォーマットで整える
- 参加者への事前相談や記載内容の確認をしっかりと行う
- 紙媒体での提出に加えて、PDFデータとして共有することも考慮する
- リストの保管・管理方法にも気を配り、取り扱いに注意する
誰が見ても内容が明確で、読みやすく、温かみのある「有志一同リスト」を目指すことで、受け取る相手にとっても心に残る贈り物の一部となり、その場の雰囲気や信頼関係をより深めることができます。